食後の血糖値がジェットコースターのように乱高下する状態を「グルコーススパイク(血糖値スパイク)」と呼び、食前後に関わらず血糖値が高い状態の糖尿病と違い、食後2時間で急激に上がって、その後急激に下がることが特徴です。
健康診断など多くの検診では、空腹時の血糖しか計らないため、発見されにくい隠れた危険信号なのです。
糖尿病の診断基準(空腹時血糖)
- ▲126mg/dl以上 - 糖尿病型
- ▲110mg/dl以上 - 境界型(糖尿病予備軍)
- 110mg/dl未満だと、正常と判断されてしまう
検査の数値としては判りにくいですが、症状として、食後に眠くなりやすい、怠くなる、イライラすることが多い、食べてもすぐに空腹感をおぼえる、集中力や判断力が欠如する、などに心当たりがある方は要注意です。
血糖値の急上昇や急降下は、血管の内壁に大きな負担をかけ、動脈硬化を引き起こす原因となります。動脈硬化は、心臓の血管で起きれば心筋梗塞、脳の血管で起きれば脳梗塞に至ることも。
血糖値のスパイクを防ぐ食事のポイント
食後すぐの血糖上昇には、インスリンの初期分泌が大きく関わっています。インスリンの初期分泌が低下すると食後の血糖が急上昇するため、ゆっくりと糖質が吸収されるような食事をとることによって食後高血糖の改善が期待できます。
食物繊維を多く含む食品を選ぶ
炭水化物は色の濃いもの(精白度の低いもの)、豆類、野菜、きのこ、海藻類を積極的に取り入れましょう。
例)
- 白米 < 玄米
- 食パン < 全粒粉パン、ライ麦パン
- うどん < そば
カロリーコントロールより、GI値コントロール
普通の食事の前に低GI食品を食べることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。
例)
- 食前きゅうり(GI値:23)
- 食前もやし(GI値:22)
- 食前牛乳(GI値:25)
- 食前アーモンド(GI値:30)
GI(Glycemic Index)=糖質指数
ブドウ糖を100とした時の相対値。値が低いほど血糖値が上がりにくい食品と言える。
GI値
- 55以下 - 低GI食品
- 56~69 - 中GI食品
- 70以上 - 高BI食品